くさや誕生の秘密
くさやは、今から400年昔に、伊豆七島の新島で生まれました。
江戸時代、塩はとても貴重でした。そこで、塩を使わず塩魚をつくる知恵から生まれたのが、「くさや」なのです。
まず、海水をたらいに入れ、開いた魚をひたして、天日に干す。
すると、水分は蒸発しますが、塩は魚の表面に残る。
これを繰り返して、塩がしっかりのった塩干の魚ができあがりです。
ところが、開いた魚を次々と海水に浸していくと、そのうちに海水が発酵しだして、とてもくさい汁になりました。
これがとても美味しい。魚のうま味が溶け出していたのです。
そして、今度はその汁に魚を漬け込み、天日に干してみました。これがくさやの誕生です。
とても「くさいや」ということから、「くさや」と名前がつきました。
昔、新島には、医療体制がほとんどありませんでした。
島の人は、風邪や下痢や便秘の際、くさや汁を飲んで治していたそうです。
また、傷やはれものも、くさや汁をつけると、治ったそうです。
くさやには、天然の抗生物質が含まれていたのです。
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